ニモノログ

なにものかとポケモンのブログ

【トピック】ポケカ歴20年のポケカ老人、シャドバ歴0年のシャドバ新生児に

f:id:nanimonoka:20190227023626j:image

今年から、「シャドウバース」縮めて「シャドバ」に挑戦しています。お正月から始めて2ヵ月経ったところ。ちなみにお気に入りはロイヤル。

第2次ポケカブーム以降、シャドバ文化圏からポケカ文化圏への影響が無視できなくなってきたので、あちらさんの様子を勉強しにいってこようということでして。そう、これは勉強であって遊びじゃないんです。だから奨学金とか出して欲しいし、そのお金でパック剥きたい。

 

そんなわけで、シャドバの世界へ偵察に行ってきました。ポケカと似ているところやポケカと違うところ、ポケカ目線でいろいろ見てきたので、レポートします。

シャドウバースってどんな感じのゲームなの
f:id:nanimonoka:20190301014252j:image

デジタルカードゲーム(DCG)の一種です。

同じくCygames社制作のDCG「神撃のバハムート」をベースとしたダークファンタジーの世界観が特徴。戦略の異なる8つの「クラス」の8人のリーダーから1人を選択し、クラス別のカードプールから40枚のデッキを作って対戦します。試合はターン制で、「フォロワー」「スペル」「アミュレット」といったカードを使い分けて戦い、相手の体力を0にすれば勝ち。e-Sportsとしてトーナメントシーンも盛り上がりを見せており、現在200万人近いアクティブユーザーがいると言われています。

 

ポケモンカードとシャドウバースの関係って

 Cygames所属でシャドウバースのメインプランナーである「宮下尚之」氏。かつてはクリーチャーズに所属しており、2000年代はポケモンカードの開発や公式大会の解説等を手掛ける「PCLミヤシタ」として知られていました。更にそれ以前は、ポケモンカードのプレイヤー「ミュウクン」であったということも知られています。ちなみに僕ことなにものか、昔ポケカのイベントでPCLミヤシタ氏と対戦する機会があり、「ブログ見てますよ」と声をかけてもらったことがあります。これは小規模な自慢です。f:id:nanimonoka:20190302091740j:image

懐かしのPCLミヤシタ(左から1番目)。

(2002.7.5『ポケモンカードトレーナーズ Vol.17』p.32, 株式会社ポケモン

 

シャドウバースの歴史や宮下氏の経歴については下記の記事で読むことができます。

www.gamespark.jp

 

 ポケカプレイヤーの中にもシャドバプレイヤーは大勢います。もちろん逆のパターンも。最近ではシャドバのプロプレイヤー等の有名プレイヤーがポケカの公式大会に出場していて、注目を集めています。

ところで、シャドウバースには「進化」というシステムがあります。もしかするとポケモンカードの影響なのかもと思ったのですが、これは「神撃のバハムート」から受け継いだものなのだそうです。ポケモン登場以降様々な形で「進化」というキーワードをシステムに採用したゲームが次々と登場しているので、「神撃のバハムート」自体がその一つであるという捉え方もできなくはないですが。ただ一つ確実に言えるのは、「シャドウバースはポケモンカードの系譜を受け継いだゲームである」ということ。

 

シャドウバースをやってみてわかったこと

デジタルならではの導入ハードルの低さ

シャドウバースは今すぐ無料で始められます。
僕はAndroid端末を利用しているので、Google Playで「シャドウバース」と検索してアプリケーションをインストールするだけ。ポケカでいうとトレーナーボックス程度の基本的なカード一式と、拡張パックの引き換えチケットのセットがゲーム開始と同時に無料で支給されます。カード自体に原価がかからないからこういうこともできるんですね。

手に入れたカードはゲーム内のカード一覧で確認できます。デッキもオートで生成することができます。パックを剥いてボックスに整理してゴミを捨てて、という面倒臭いあれこれは一切必要ないです。逆にもし、パックを剥く作業までいちいちデジタルで再現されてたら嫌ですね。丁寧に画面をスワイプしないとパックがぐちゃっと破けるとかね。

遊びかたもチュートリアルを通じてサクサク覚えることができます。紙のTCGでもデジタルなチュートリアルが用意されている場合はありますが、実戦と同じ環境でのチュートリアルを提供できるのはDCGならではです。

当たり前と言えば当たり前なのですが、デジタルならではの導入ハードルの低さがとても新鮮に感じました。ちなみに、課金もそれほど沢山必要なわけではなさそうです。僕はまだ3000円くらいしか投入していないドケチ野郎なのですが、丸2ヵ月の間さほど支障なく遊べています。

オンラインならではの対戦の手軽さ

ルールを覚えてデッキを作ったらいよいよ対戦です。

シャドウバースには様々なオンライン対戦モードが用意されていて、自動でマッチングされた相手と対戦することができます。単に対戦がしたいだけなら、時間を調べてイベントに出掛けたり人を誘ったりしなくてもいいのです。たまたま寝る前に風呂上りにプレイしていたときに、「そう言えば今夜中だし全裸じゃん」と気づいたときは感動しました。そういうキャッチコピーってどうですかね。夜中に全裸で遊べるカードゲーム!シャドウバース!

ゲームは進行至って快適です。シャッフルやドローを始め、ゲーム中のあらゆる効果は自動的に処理されます。ダメージ計算を間違えたり相手にイカサマを食らったり、そういう心配は全くありません。

カードの効果の処理だけでなく、音や映像の派手な演出があるのもデジタルならでは。
淡々とした試合展開でも何か派手なことをやっているような気分になります。

画面越しのコミュニケーションの手がかりのなさ

ゲーム自体は楽しいですが、対戦相手は画面越しの顔も声もわからない完全なる他人なので、CPUを相手にしているときと同じ感覚です。ポケカのようなアナログゲームの場合はゲームの楽しさとコミュニケーションの楽しさがありますが、後者がごっそり抜け落ちているような虚しさを感じることもしばしば。いろんな人と対戦を繰り返しても仲良くなったりできるわけもなく、どうやって仲間を見つけたらいいのか途方に暮れます。

その代わり、シャドウバースをやっていることをTwitterとかで宣言していたらポケカで交流のある人達が何人か声をかけてくれました。「なにものか」でオンラインマッチに挑戦しているので、マッチングしたことに気付いてくれる人も。こうやって予め身の周りにいる友人知人を中心に楽しむのが手っ取り早いのかも。

初心者の道のゴールの途方もなさ

基本的なルールを覚えて対戦もできるようになったのですが、ちょっと強くなりたいと思ったとき、何をしたらいいのかわからなくて途方に暮れました。

デッキレシピやプレイ動画等初心者向けのコンテンツは比較的潤沢に提供されてはいるのですが、逆に沢山ありすぎてどれがどの程度信用できるものなのか判断できないのです。もちろん手っ取り早く知識を得たいという考え自体が甘っちょろいというのはわかっています。だけどゲームをやるときくらい甘っちょろいやつでいたい。現実ってやつはあまりにも厳しいから。そんなわけで、結局のところ自力である程度コツを掴むまでは情報の取捨選択すらできないということがわかり、ブレイクスルーまでにそこそこの時間が必要でした。

地味な悩みですが、カードを覚えるのにも苦労しました。人物キャラが多いのでどうしても似たようなやつが出てきてしまいます。

f:id:nanimonoka:20190302085623p:plain

金髪で目つきの悪い青い服のおじさんその1。

f:id:nanimonoka:20190302085629p:plain

金髪で目つきの悪い青い服のおじさんその2。

新しくポケカ始めた人達も、きっと同じような壁にぶち当たっているんだろうな。

あえてのオフラインイベントの楽しさ

オンラインDCGであるところのシャドウバースですが、「eスポーツ」としての展開にも力を入れています。オフラインでのイベント(対戦はオンラインですが)もしばしば開かれているようです。その中の1つである「RAGE Shadowverse」というイベントの様子を見に行ってみました。

rage-esports.jp

「RAGE Shadowverse」はDay1・Day2の2日間の予選大会の後、日を改めてGLAND FINALSという決勝大会が開かれる大がかりなトーナメントです。僕が見に行ったのは予選大会のDay2。会場内は撮影禁止だったのですが、ポケカチャンピオンズリーグとやはり近い雰囲気です。強いて言えば親子連れを全員ゲーマーと入れ替えて、全体的に会場の大道具小道具を黒くした感じかな。

メインの予選大会の他に、サイドイベントも色々。ポイントゲットバトル相当の「星取りバトル」やポケカでもお馴染み「4人フライト式トーナメント」等。僕も「4人フライト式トーナメント」に参加して、何人かの方と対戦していただきました。画面を見ながらの対戦を流れ作業でこなしていくことになるのであまりコミュニケーションは発生しないのですが、ありがたいことに話しかけてくださる優しい方もいました。救われました。

ポケカとの大きな違いとしては、トーナメント支援アプリ「シャドナビ」の存在には驚かされました。僕はまだ使ったことがないのですが、これ1つでエントリーやマッチングなどに対応しているようです。ポケカでいうところの「プレイヤーズクラブ」と「TCGマイスター」がオールインワンになっているというのはさぞかし便利だろうなと。逆にポケカはその2つに既に結構投資しているはずなので、アプリの導入はあるとしても先の話になるかなあと思いました。

 

rage-esports.jp

シャドナビの使い方はこちら。

 

ringoce.hatenablog.jp

こちらの記事では「シャドナビ」の素晴らしさをMTG視点で語られています。

 

また、「シャドバフェス」というものすごく豪華なイベントもあるようです。

kai-you.net

こちらの記事ではシャドバフェスの様子が沢山の写真も含めてレポートされています。今年もあるなら是非見に行ってみたいところ。

 完成された生放送の素晴らしさ

イベントの様子はOPENREC.tvとAbemaTVで生放送されています。実況は一般的なスポーツのそれと比べても勝るとも劣らない本格的なものでした。プレイヤーの行動を素早く伝えながら合間合間でプレイングの意図にまで踏み込んだ詳細な解説が挟まれて、ちょっとしたカルチャーショックでした。

ポケカも公式大会については実況付きの生放送があるにはあるのですが、緊張感も臨場感もなくて全体的に雰囲気が副音声っぽいことが多いので、もうちょっと真剣にやるか真剣にやってくれる人を当ててくれないかなあと。具体的にはだんのうらチャンネルレギュラー化希望。

rage-esports.jp

生放送のアーカイブが残っているので、興味のある方は雰囲気だけでも見てみては。

e-Sportsを意識したゲームデザイン

しばらくシャドバをプレイしたり観戦したりしてみて、徐々に気付いたのがシャドバのゲームのテンポの良さでした。物理的な操作が省略できるDCGだから当然といえば当然ですが、単にDCGだからというレベルに留まらない工夫が施されているように思いました。

例えば、シャドバでは相手ターンに何らかの行動が必要になるシーンが全く存在しません。相手の行動が自動的に処理されるのをただ見守るだけです。ポケカと同じく相手ターンへの割り込みが発生しないだけでなく、ポケカの「あなぬけのヒモ」のように相手ターンに判断を要求されるカードも存在しません。一方的な行動の応酬でゲームが成立しているため、持ち時間制も何の問題もなく運用できています。

一方で、自分のターンでできる選択もポケカに比べるとかなり制限されています。山札からサーチする効果は全てポケカの「ランダムレシーバー」のように対象が自動的に選択されるようになっており、ポケカの「ポケギア」のように選択可能なものは存在しません。場に出ているカードに付与される特殊能力は全て「サメハダー」の「さめはだ」のような常在型で、「ジュナイパーGX」の「フェザーアロー」のような起動型のものは存在しません。また、複数の相手にダメージを与える効果は、全体に一律で同じダメージを与えるものか、ランダムで振り分けるもののみで、「エーフィGX」の「ディヴィジョンGX」任意で振り分けるものは存在しません。

全体的に、技術的には可能なことをあえて制限してゲームテンポを優先していると感じました。そして、1ゲームは10分程度で終わるようになっています。大型トーナメントでデッキチェンジありのBO3という贅沢なルールが採用されているのに、時間的には全くダレることなくイベントが進行していたのがとても印象的でした。

ところで、「PCLミヤシタ」が活躍していた2000年代、ポケカの競技性は今よりずっと低いものでした。シリーズで言うとADV~DPの頃のポケカゲームデザインは、サーチ手段が豊富でHPに対するダメージが小さく、言い換えると今よりかなりテンポの悪いゲームだったにも関わらず、公式大会は1試合20分という今から考えると信じられないくらい短い制限時間が採用されており、先にサイド差をつけたプレイヤー時間切れを狙うようなことが横行していました。シャドウバースのテンポの良さには宮下氏のその辺りの経験が背景にあるのかもしれない、と勝手に思ったりしました。

最近のポケモンカードは公式大会の制限時間が1ゲーム25分とかになっていますが、普通にプレイすると1ゲーム25分では終わらないので、その辺りをゲームデザイン側から改善する試みも今後あっていいのかもしれないです。ついでに、画面に映したときに著しく視認性の悪いHRの加工は廃止して欲しい。

まとめ

段々めんどくさくなってきたのでここら辺でまとめます。シャドウバースはポケモンカードの流れを汲みながら、今やポケモンカードに無視できない影響を与えつつあるコンテンツです。たまにはこういった他のゲームに目を向けつつ、これからのよりよいポケカについて考えてみるのもよいのではないでしょうか。

ついでにユーザーIDを置いておきます。フレンド登録よろしくお願いします。形だけでもお友達が沢山いる風になりたいじゃん。
f:id:nanimonoka:20190302091339j:image

初心者なので何か間違ったことを書いていたら、初心者なので優しく指摘してください。初心者なので。