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【レポート】ポケカ自由研究会[20190901]

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ポケカ自由研究会に行ってきました。

 

ポケカ自由研究会とは

ポケモンカードファン達がポケモンカードに関する様々なテーマで発表をする会です。

詳しくは主催たいあたりジムさんの記事をご覧ください。

taiatari.net

 レポート

今回の発表者はバラエティー豊かな怒涛の全10名。

みっちり半日お話を聞いてきましたので、お一人分ずつざっくりレポートします。

 

1.ポケモンオタク兼カードゲーマーから見たポケモンカードのいいところ(西野ラウスさん)

ポケモンというコンテンツやカードゲームという遊びに長い間取り組んできたラウスさんの発表。曰く、ポケモンカードゲームの人気は、ポケモンという世界観の魅力とカードゲームとしての難しさの丁度いいバランスの上に成り立っている、とのことでした。ゲーム版ではパンチが売りのエビワラーが「とびひざげり」を主力にしていたりする一方、キャラクターに合ったワザを設定できるポケモンカードポケモンの魅力をより強く引き出している、という意見は今まで自分にはなかった視点からのもので、自分の世界が広がったように感じました。

 

2.ミュウツーと振り返るポケモンカードの歴史(ザキオさん)

ミュウツーコレクターとして活動しているザキオさんの発表。これまでに発行されたミュウツーのカードをその歴史と共に紹介してくださいました。後半になるほど数が増え、取り分けイラスト違いのものが多い印象です。

質疑の時間に、ひとつ質問をさせていただきました。ミュウツーには「遺伝子を組み替えたことで狂暴なポケモンになった」という設定があるにも関わらず、多くの場合狂暴性を感じる攻撃的なテキストがデザインされていないのはなぜか、という内容です。ザキオさんの考えでは、ミュウツーの持つ生来的なやさしさや、ハナダのどうくつで静かに佇んでいる孤独さを表現しているのではないか、ということでした。流石の回答です。正直かなり腑に落ちました。

 

3.自主大会と賭博罪〜「え、もしかしてこの自主大会…違法!?」〜(無農薬やさいさん)

法律に詳しい無農薬やさいさんの発表。自主大会が賭博罪に抵触する場合、しない場合の要件について等、かなり専門的な話でした。この発表は当日会場で最初から最後までまとめて聴いて理解すべきものだと思いますので、具体的な内容に関してはこの場では割愛します。参加者全体で健全な自主大会の運営に対する意識が高まったことかと思います。お金払った方がよかったと思ったくらいよかった。


番外.トイ博士の天才発明2019/ゼンリョク交流コーナー(トイさん)

たいあたりジムリーダー、本イベント主催トイさんの発表。ポケモンの名前を入力すると該当のポケモンが描かれたスリーブが検索できる、というニッチなサービスのリリースが発表されました。目視と手動でデータを作成したトイさんから「人類は最強のテクノロジー」という名言も。後半では今回のプレゼンオフの経緯やその意義と共に、そして大いに参考とした「ポケファンプレゼンオフ」をリスペクトしたチーム別クイズ大会が催されました。


4.将棋とポケカ(ゴンたさん)

熱心な将棋ファンでもあるゴンたさんの発表。竜王戦等不思議な関わりの続く将棋界とポケカ界の歴史について、お話していただきました。糸谷哲郎八段の活躍等、最早懐かしくなってしまうエピソードも。


5.会社でポケカのイベントをするために必要なこと(shortyさん)

 会社の施設を利用したポケカのイベントを度々企画されているshortyさんの発表。勉強会等地道な実績を積み上げて社内での信頼を獲得していくというテクニックを教えていただきました。ポケカのイベントだけでなく、前例のない企画を社内で通していくためのノウハウ、という捉え方もできるかと思います。デキる男のプレゼンといった感じでした。

 

6.CSP国際比較 ~数字で分かる日欧米競技シーンの違い~(klovさん)

データ分析が趣味で仕事のklovさんの発表。経済的不平等の分析手法の応用によって日欧米のプレイヤー達の持っているCSPの分布を分析し、競技シーンがどのようなプレイヤー層で構成されているかを明らかにしようとする試みです。ざっくり言うと、上位10%が総CSPの半分をガメているという傾向は日欧米共に共通だそうです。その一方であまりCSPを集めていないプレイヤーも相当数いて、それぞれのスタンスで競技シーンを楽しんでいるんだなということがわかりました。

 

7.三日坊主で飽き性な私が、どうしてポケモンカードを20年も遊んでいるのか(ぐるまんさん)

 ポケモンカードをひたすら20年遊んでいるぐるまんさんの発表。「壮大な自己紹介」と仰っていましたが、今や20年遊び続けている例が最早レアケースになってしまっており、女性とか地方とかの特殊な要素が何重にも加わって、体験談としてはかなり貴重な内容だったかと思います。進学や就職や結婚などのライフステージの変化、シリーズの切り替わりなど「やめてしまいがちなタイミング」にフォーカスしつつ、それを「好き」だけで乗り切った話は一周回って納得してしまいます。Twitter等の情報発信は最近始められたということで僕も存じ上げなかったため、掘り出し物感がすごかったです。

 

8.ポケカ文化史各論 メディア編〜デッキレシピはどこにあったのか〜(なにものか)

ポケモンカード歴23年の私なにものかの発表。デッキレシピが掲載されたメディアの変遷に注目し、時代ごとの傾向とその背景を実体験ベースで紹介しました。20年分の話なのでざっくり纏めてしまいましたが、デッキレシピの流通量の多寡やコンセプトの傾向は、時代毎のインフラの発展や制度変更、それに伴うパラダイムシフトによって大きく変化し続けていたということをお伝えしたかった次第です。ポケモンカード老人としては、これからどんどん出てくる新しいムーブメントをひたすら応援したいと思っています。

 

また、今回の発表で公式トーナメント入賞デッキの公式ウェブサイトへの掲載は2015年とお伝えしてしまいましたが、2007年であるという指摘をいただきましたので訂正いたします。誠に申し訳ありません。自分の記憶ベースで情報を整理しているとこういう間違いの可能性が常にあるので、適宜ご指摘いただいて知識をアップデートしていけたらと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。押忍。

 

9.海外でWCSの権利を取る方法(うきにん)

WCS2019シーズンでマレーシア代表の権利を獲得したうきにんさんの発表です。実際TPCiの管轄下でCSPを集めようとすると度々遠征が必要でめちゃくちゃ金がかかるというお話でした。一時帰国中の合間の時間での発表だったため短時間でしたが、貴重な体験談だったかと思います。

 

感想

こういうプレゼン系のイベントは片っ端から参加するようにしているのですが、今回もトーナメントプレイヤーやオーガナイザーやコレクター等の幅広い視点からの発表が聴けて大変有意義でした。ポケモンカードを通じて視野を大きく広げることができるイベントなので、今後また自分でも企画したいと改めて思いました。他の方の企画でもどんどん乗っかっていきますので、よろしくお願いいたします。まだまだネタはいっぱいあります。