ニモノログ

なにものかとポケモンのブログ。(Pokemon blog by nanimonoka)

【コラム】熾烈で過酷な「0次予選」、3つの例

今、ポケモンカードのトーナメントシーンはかつてない熱狂ぶりを見せています。

その一方で、新たな問題も持ち上がってきました。

参加定員と参加希望者数の、かつてない規模の不均衡です。

CL2019シーズンも早速各種トーナメントのオンラインエントリーと抽選が行われ、ユーザー達はその結果に一喜一憂しています。

 

この「0次予選」、大変つらい。

これまでにも様々な「0次予選」が存在し、ユーザー達はその理不尽と戦い続けてきました。

僕はポケモンカード語り部として、この最悪のユーザー体験を歴史の闇に置き去りにしてはならないと感じています。

少しでも楽しいイベントを作ろうと奮闘している運営サイドの皆様におかれましては、何卒ご容赦いただきたい所存であります。

 

 

今日はネガティブな話です。

マジでつらかった0次予選の話。

 当日抽選(スロット予選)

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(1999.9.1『ポケモンカードトレーナーズ 1999 Vol.3』p.8, 株式会社メディアファクトリー

 

初期のポケモンカードの公式トーナメントは、基本的にハガキ応募による抽選が行われていました。

時期によっては当日受付が行われており、特に「チャレンジロード99 SUMMER」では「スロットマシン」による抽選が行われていました。

通称「スロット予選」です。

 

公式トーナメントに出場したいプレイヤーは、当日朝の受付開始前に会場前に列を形成します。

受付が開始されると1人ずつスロットマシンの前に案内されます。

スロットマシンにはエネルギーシンボルの描かれたドラムが3列回転しており、ボタンを押すと順番に停止します。

「目押し」等はできない、完全に運任せのスロットです。

エネルギーシンボルが3つ揃ったら当選。

揃わなかったら落選。

これが一連の流れです。

 

遡ること20年。

 

僕は岡山県北部の津山市というところでポケモンカードを楽しんでいました。

公式トーナメントはお隣の広島県での出場を目指していました。

来る日も来る日も研究を重ねました。

ずっとずっと公式トーナメントの日を楽しみにしていました。

親に頼み込んで車で連れて行ってもらう約束を取り付けました。

当日は朝の3時に起きました。

広島までは4時間かかりました。

 

そして受付開始。

僕は固唾をのんでスロットマシンのボタンを押しました。

絵柄は揃いませんでした。

落選。

 

その日のために準備してきた全ての取り組みは無に帰すこととなり、虚しさだけが残りました。

もちろん、この結果を想像していなかったわけではありません。

こうなる可能性もあることを頭の片隅に入れながら取り組んできたんじゃないか、と自分に言い聞かせ、自分を納得させ、しばし茫然としました。

 

ひとしきり落ち込んだあと、サイドイベントの列に並びなおしました。

もちろんポケモンカードはいつだって楽しいです。

でも、僕はただの勝ち負けじゃなくて表彰台を賭けた対戦がしたかったんだ。

この日の虚しさは一生忘れないと思います。

 

当日先着順参加(早起きメガバトル)
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ポケモンカードの公式大会は、当日先着順受付かつ全員参加という太っ腹な形式を取っている時期がありました。

ただし、卓とスタッフには限りがあります。

従って、参加者の間で競争が発生することとなります。

2015年以降の「〇〇メガバトル」というイベント名がつけられていた時期、その競争は熾烈を極めました。

通称「早起きメガバトル」です。

 

当時の公式大会の予選は、ガンスリンガー方式で対戦を繰り返し、規定の連勝数に到達した順に決勝進出権を得るという形式でした。

要するに、なるべく早く沢山勝つことが必要な形式です。

この競争を勝ち抜くために、イベント開始直後の最初の対戦卓、通称「初卓」の奪い合いが発生しました。

トーナメントプレイヤー達は始発で会場に向かったり、遠方のプレイヤーは会場周辺に泊まり込んだりして、辺りの暗いうちから列を形成しました。

今でもTwitterで「早起きメガバトル」や「始発メガバトル」と検索すると、5時台や6時台の投稿が出てきます。

特に冬の寒い日等、その過酷さは想像に難くありません。

 

ガンスリンガー形式と言えど、1敗でもしてしまって並び直すと、そのまま決勝進出の枠が埋まってしまう場合がままありました。

列形成の開始時間を甘く見積もって遅めに並んだプレイヤーも同様です。

誰よりも勝ちたいなら誰よりも早く目覚めるべし。

そういう時代でした。

 

眠さや寒さという対戦相手ではないものと戦っているプレイヤー達を見て、何のためにポケモンカードをやっているのかわからなくなりました。

僕はこの早起きメガバトルからは早々にドロップアウトしました。

 

オンライン先着受付(回線メガバトル)
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イベント受付サイト「ポケモンカードゲーム プレイヤーズクラブ」ができて、公式トーナメントはオンラインでのエントリーが可能になりました。

しかし、しばらくの間エントリーは先着順でした。

時は第二次ポケカブーム。

アクセスが集中してサイトが繋がりにくくなる中、人々は出場権を争うこととなります。

通称「回線メガバトル」です。

 

エントリー受付開始時間は通例予めアナウンスされていました。

「平日の昼間」という大多数の人間がインターネットにアクセスできるとは限らない時間に設定されていることがままありました。

先着順という都合上、既定の時間が来たら速やかにエントリー手続きを処理する必要があります。

ある者は学校のトイレに籠り、あるものは会社を休み、各々プレイヤーズクラブへのアクセスを一斉に試みました。

サイトが繋がりにくくなってエラーが表示され、人々は何度も何度もアクセスを試みました。

エントリーページに辿り着けても、ページの遷移に伴ってまたエラー。

そうこうしているうちに、エントリー人数は定員に到達。

やっとアクセスできたと思ったら、「エントリー」ボタンだったはずの場所に無残な「締め切り」の文字。

プレイヤーズクラブのページを閉じてTwitterを開き、怨嗟の声を投げて終了。

エントリー時期の恒例行事でした。

これを繰り返す過程で、エントリーページへの入力内容を予め変換候補に登録する、処理の軽いiOS端末に買い替える等、様々なノウハウが生み出されました。

 

それにしてもこの、上の画像の500エラー。

こちらを嘲笑うかのようなピカチュウの笑顔。

「申し訳ありません」の一言もない冷たいメッセージ。

生まれて初めてピカチュウの胸倉を掴みたくなりました。

でもピカチュウは画面の向こうだし、そもそもピカチュウに胸倉はありません。

ピカチュウだってこんな損な役割を押し付けられてつらかったでしょう。

ごめんねピカチュウ

今度オムライスおごるよ。

近所にいい店あるんだ。

 

まとめ

わしらの時代は大変じゃった。

僕がオンラインで繰り広げられる全てを生ぬるく感じてしまうのは、当日朝に全てが無に帰す体験や、寒さや眠さと戦いながら列に並ぶ体験を通ってきたからです。

でもそれはそれ、これはこれですよね。

きっと誰もが各々の辛さを抱えていて、それは比べられるものではないんです。

 

ポケモンカードを通じて得られる体験は、誰にとってもよいものであってほしい。

誰もがこの理不尽な「0次予選」から解放される日が来ますように。

きっと誰もがそう願っています。

 

僕は、これまで体験してきたいくつかの理不尽が解決されてきたことも知っています。

だから今多少つらくても、いつかはまた新しい明るい未来がやってくるのではないか、と信じることができます。

 一緒に待ってみませんか。

もうちょっと。

もうちょっと。