【コラム】ポケモンのカードゲーム、なんて呼ぶ?
この「ポケモン」の「カードゲーム」、実に様々な呼び方があります。
それぞれどのように違うのか、意識したことがある人は少ないのではないでしょうか。
今回は、「ポケットモンスターカードゲーム」から「ポケカ」まで、その用法の違いについてのお話。
ポケットモンスターカードゲーム
最初期の商標です。
1996年10月20日に発売された「第1弾」から、「ポケモンカード neo」の直前まで使用されました。
現在は殆ど使用されていませんが、20周年記念の復刻版で久々に活躍の場が与えられました。
ちなみに、パッケージ等にロゴが使用される際、商標であることを示す「TMマーク」は「ポケットモンスター」の後ろにつきます。
飽くまでも「ポケットモンスター」の「カードゲーム」であるという位置付けです。
「ポケットモンスターカードゲーム」としては商標登録されていません。
ポケモンカードゲーム
現在の商標です。
商標出願は1997年6月17日。
「正式名称」と言ってよいでしょう。
また、2004年3月19日に発売された「ポケモンカードゲーム」シリーズではシリーズ名としても使われました。
そのため、「ポケモンカードゲーム」の「ポケモンカードゲーム」シリーズというややこしいことに。
そのため、ユーザーの間でのこのシリーズは専ら「PCG」と呼ばれています。
「ポケットモンスター」という言葉は、グローバル展開を意識して「ポケモン」へ置き換えられるようになりました。
「ポケットモンスターカードゲーム」から「ポケモンカードゲーム」への切り換えも、その一環としての意味合いがあると思われます。
こういった背景は翻訳家の依田寛子氏が下記の記事で少し解説されているので、興味のある方はご一読を。
ドラクエやモンハンの世界をどう訳す? 「教会の十字架の形まで変える」ゲーム翻訳の奥深き世界 (4/4) - ねとらぼ
ポケモンカード
最も一般的で汎用性の高い略称です。
最初期から各種派生商品の商標の一部としても頻繁に登場し、2010年3月30日に商標出願されています。
ユーザーからオフィシャルメディアまで、様々な場面で使用されています。
初代キャッチコピー「ポケモンカード、あそびてー。」でもお馴染みでした。
「ポケモンカードゲーム」との使い分けについては、下記の記事がよい例です。
ファミ通.comのポケモンカード担当ライターである竹内白洲氏の記事。
1996年、初の国産トレーディングカードゲームとして誕生したのが、ポケモンカードゲーム(以下、ポケモンカード)だ。
数千枚のカードを完璧に覚えているデバッグチームがある!? 再びアツい“ポケモンカードゲーム”制作の裏側を開発陣に聞く。“マーシャドー&カイリキーGX”の初公開ラフ画も! - ファミ通.com
ポケカ
最も短い略称です。
2010年3月15日に商標出願されました。
略称としては「ポケモンカード」と棲み分けが成立しています。
こちらは「ヤルカ!ポケカ!」のキャッチコピー等、親しみを与えたいような場面で使われることが多いです。
一方、商標出願以前は公式メディアでは決して使われることのない言葉でした。
「ポケットモンスターカードゲーム」世代の一部のポケモンカード老人にとっては、どちらかと言えば俗っぽい、「あけおめ」のような最近の若い者が使う言葉として認識されていたのです。
しかし、「ポケモンカードBW」シリーズ発売に伴う公式サイトリニューアル後、突然公式メディアに「ポケカ」の文字が登場。
一部のポケモンカード老人達はざわつきます。
以来、彼らは「ポケカ」という文字を見るたびに見知らぬ男に恋人を奪われたかのような憎しみに駆られるのです。
そう、わしが、わしこそがその残党総勢1名じゃ!
キエーッ!
というのは冗談ですが、未だにちょっと慣れないです。
「ポケカ」を使わなかった期間の方が長いので。
まとめ
正味な話、雑談レベルではいつどれを使っても大きな問題はないと思います。
ただ、ちゃんとした文章の中でポケモンカードに言及するときは、こういったことを意識してみるといいかもしれません。
またしょうもない話ばっかりしてすみません。
オチも特にないです。