【コラム】消えた「エネルギーを上に置く」習慣
本当にどうでもいい話をします。
エネルギーの置き方の歴史の話です。
人生の一部を無駄にしても構わない向こう見ずな方だけ読み進めてください。
さて。
ポケモンカードの対戦中にエネルギーカードをポケモンにつける行為に関して、その位置や方向を規定するルールは存在しません。
そのため、プレイヤーは各々都合のいいようにエネルギーカードを盤面に配置しています。
例えばこんな感じ。
エネルギーシンボルが見えるようにして、ポケモンの下に重ねて置くのが一般的でしょう。
これを「下置き」と呼ぶことにします。
ところが、ポケモンカードの初期ではこういう置き方がそれなりに主流でした。
ポケモンの上にエネルギーを置くのです。
これを「上置き」と呼ぶことにします。
今こういう置き方をするケースは殆どないと思います。
あったとしても一時的なものか、習慣的な場合であっても少数派かと思います。
このような置き方がなぜ発生し、なぜ消えていったのか。
歴史を振り返ってみたいと思います。
エネルギーを上に置いた理由
なぜポケモンカードの初期ではポケモンの上にエネルギーを置いたのか。
簡単なことです。
(1996.10.20『ルールブック第1版』p.14, 株式会社メディアファクトリー)
ルールブックにそういう図が載ってたから。
全てはここから始まった。
ちなみにこの図は1997年6月5日発行の第2版まで掲載されています。
(1996.8.15『コロコロコミック9月号』p.36-37, 株式会社小学館)
発売前に公開された開発段階のイメージ図でも、エネルギーカードはポケモンの上に置かれています。
エネルギーを上に置かなくなった理由
なぜ人々はエネルギーをポケモンの上に置かなくなったのでしょうか。
そんなの、「邪魔だから」に決まってます。
エネルギーはついてるのがわかればいいけど、ポケモンはテキストが読めないと困る。
(1996.11.30『すぐわかるポケモンカードゲームの遊びかた』p.32, 株式会社メディアファクトリー)
この「すぐわかるポケモンカードゲームの遊びかた」は、ポケモンカード発売後1か月少々で発売された史上初の公式ポケモンカード専門書です。
この時点でもうポケモンの下にエネルギーカードを重ねた例を提示しています。
「上置き」と「下置き」の混在
エネルギーをポケモンの上と下どちらに置くかについては、しばらくの間2つの手法が混在しました。
(1998.10.20『めざせ!ポケモンカードマスター』p.62, 株式会社メディアファクトリー)
これは第2回公式トーナメントの全国大会である「リザードンメガバトル」の様子。
この「めざせ!ポケモンカードマスター」は、当時の対戦風景の写真が豊富に掲載されている大変貴重な資料です。
中でもこの写真は「上置き」派と「下置き」派が対戦しているということで一層珍しい代物。
1998年の時点で「上置き」派は相当な数存在しています。
主流になった「下置き」
そんなわけで、エネルギーカードはポケモンの下に置くのが主流になりました。
(2018.11.23『ポケモンカードゲーム サン&ムーン 遊びかた説明書』p.27, 株式会社ポケモン)
最新の遊びかた説明書ではエネルギーカードがポケモンの下に置かれています。
2019 Pokémon World Championships | TCG Masters Top 4 - YouTube
こちらはTPC圏即ち国内最強の男 Shintaro Ito a.k.a "とーしん"と、TPCi圏即ち海外最強の男Tord Reklevの対戦の様子。
どちらもエネルギーカードはポケモンの下に置いています。
まとめ
だからどうしたって感じですよね。
すんません。
でも、こういう本当にどうでもいいことまで気にし始めると、ポケモンカードを斜めの角度から楽しむことができるようになります。
おすすめ。
ネタがないからこんな話をしているのではなくて、こういうどうでもいいネタを無数にストックしているだけです。
エネルギーの置き方だけでもあと1つくらいは記事を書けると思っているので、気が向いたらまた書きます。