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【コラム】2019年のポケモンカードに生まれた、3つの新たなお金の流れ


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2018年のGXスタートデッキ発売に端を発した第二次ポケモンカードブーム。
そこから1年後の2019年にかけては、近年のeスポーツブームの影響もあり、ポケモンカードの世界にお金に纏わる新たなムーブメントの生まれた時期でした。
先日のインターネット生放送「どらの部屋」でも触れた内容ですが、年が明けた2020年、改めてこれを振り返ってみたいと思います。

1.プロゲーマー

三者の金銭的な支援を受けて活動する「プロゲーマー」。
格闘ゲームを中心に活動する日本初のプロゲーマー「ウメハラ」氏や、元チームアチャモ所属で現在はMagic the Gatheringをプレイしている「行弘賢」氏等はポケモンカード界隈でも知られた存在かと思います。
特に、シールド戦のイベントを通じて彼らの存在を知った方も多いことでしょう。

さて、ポケモンカードにもついにプロゲーマーが誕生しました。
最も動きが早かった組織は2018年に発足した「Pokead Pros」ですが、流れを作ったのはやはり2019年発足の「Card Rush Pros」でしょう。
WCS2016マスターリーグチャンピオンの「とーしん」氏等、一括りにするのが申し訳ない程のトッププレイヤーが多数所属しています。
彼らはカードショップ「カードラッシュ」のプロモーションと共に、情報サイト「カードラッシュメディア」に多数の寄稿を行い、スポンサーのみならずプレイヤー全体にとっても有益な活動を続けています。

 

cardrush-media.com

 

その後も、ぽつりぽつりとではありますが、プロプレイヤーは数を増やしています。
次は誰に白羽の矢が立つのか、楽しみです。

 

2.クラウドファンディング

特定の目的のために、不特定多数の有志から資金を調達する「クラウドファンディング」。
用語としては新しいものですが、仕組みとしては古来より存在するものです。

 

インターネットを通じた資金調達はじわじわと定着し、ようやくポケモンカードにもクラウドファンディングの機運が発生しました。
北海道のカードショップ「カードランド時和」をスポンサーとして活動する「TEAM TOKIWA」の、WCS2019に参加するための資金を募るプロジェクトです。
目標金額として渡航費・滞在費の一部としてなんと50万円を提示、粘り強い活動で見事にプロジェクトを達成されました。

 

readyfor.jp

 

ちなみに、僕個人としてもこちらのプロジェクトに少額を出資させていただきました。
直接の交流はありませんが、「ポケモンカードを通じたクラウドファンディングの成功事例を作る」という彼らの目標の一つには大きな価値を感じました。
このプロジェクトを立ち上げるにあたって、マネージャーの吉成政人氏はこのような言葉を残しています。

「才能を持ちながら全国大会に参加できない」から「才能があれば誰にでもチャンスがある!」に変える。
このプロジェクトからそんな風を吹かすことができたら幸いです。

 

幅広く資金を募るため、一歩間違えるとバッシングの的にもなりがちなクラウドファンディングですが、今後もこういった誠実なプロジェクトが増えていくといいなと思います。

 

3.有料記事

入金した人だけがその全てに目を通すことができる「有料記事」。
デュエル・マスターズ等の他のTCG界隈には既にあった文化のようです。
ポケモンカードでその源流となったのは、チーム桃屋「でんでん」さんがクリエイター向けサイト「note」に投稿した記事。
レシピはCL2018新潟のレックガノンのものです。

 

note.com

 

これ以降、雨後の筍のように有料記事が投稿され、かなりの賛否両論を巻き起こしました。
それが落ち着いた今、有料記事は文化として完全に定着したように見えます。

 

まとめ

日本人、と言っていいのかわかりませんが、人はお金を稼ぐことに対してとかく忌避感を抱きがちです。
上記に挙げたような活動に関しても、否定的な意見を沢山目にしてきました。

 

しかし、何事もやってみなくちゃわからない。
否定からスタートしてちゃ何も生まれない。
自主イベントの参加費だって、昔は「500円なんて高すぎる!」なんて意見があったりしたんです。
ところがどうでしょう、今は参加費500円なんて当たり前になってますよね。
因果関係まではわかりませんが、自主イベントの数も増えています。

 

そもそも、お金を集める人とお金を出す人の間に納得感があって、結果として世の中がよくなれば概ねそれでいいのだと思います。

有料記事1件が本の1冊より高いとか安いとか、そんなことを論点にしてる場合じゃない。


これからも何か得体のしれない新しいお金の流れが生まれるかもしれません。
今も手放しで肯定できる状況とは言い難いような問題もあります。
それでも、基本的には前向きな気持ちで見守っていきたいと考えています。
ポケモンカード歴が20年を超えたポケカ老人のわし。
そういう新しい世の中の動きを、新弾の発売と同じくらい楽しみにしとるんじゃ。