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【トピック】「イラストレーション 2021年3月号 No.229」レビュー

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イラストレーションという雑誌を買いました。

 

この「2021年3月号 No.229」では、「イラストレーションの視点から考えるポケモンカードゲーム」と銘打った、大ボリュームのポケモンカード特集が組まれています。

歴代のイラストの数々だけでなく、そのイラストが世に出るまでの制作過程、イラストレーターの先生方の素顔に迫るインタビューまで。

ボリュームだけではなくクオリティも想像を遥かに超えていました。

専門誌の面目躍如といったところ。

 

www.genkosha.co.jp

 

既に多数のイラストファンやポケモンカードファンの人々の手に渡っていますが、十分な数が供給されていない様子。

でもご安心を。

あまりの反響に、既に重版が決定しています。

この期に及んで購入を迷っている軟弱者達の背中を押したい。

どんなことが書かれているのかを、目次に沿ってざっくり紹介していこうと思います。

 

イラストレーションの視点から考えるポケモンカードゲーム

特集の扉ページには、特集の概要と、ポケモンカードゲームに対する簡単な説明。

さすがに新しい情報はないです。

 

ポケモンカードゲームを彩るイラストレーション

前半はSR等フルアートのカード向けの縦長のイラスト、後半は通常のカード向けのイラストの実例紹介。

トータル104点、圧倒的ボリュームです。

上にテキストの乗っていないフルアートのイラストはここでしか見られないものも多いはず。

 

インタビュー 有田満弘

ポケモンカード公認イラストレーター有田満弘先生への6ページに渡る特濃インタビュー。

有田先生の紹介から始まり、様々なトピックが展開されていきます。

イラストレーターを目指してからポケモンカードイラストレーターになるまで

ポケモンカードのイラストを制作するフローと時代に伴うその変遷

ポケモンカードのイラストを制作する上でのクリーチャーズとのやり取り

ポケモンを描くことの難しさとその向き合い方

・技能向上のためのスケッチへの取り組み

 

イラストレーターへのインタビューを重ねてきた専門誌ならではの話の引き出し方がなされています。

他では恐らく語られていないような細かい情報がごろごろ転がっています。

 

ポケモンカードゲームが生まれる場所

クリーチャーズのオフィスへの取材。

イラストレーター向けの作業スペースだけでなく、ディレクターのデスクや会議室など貴重な写真が多数。

 

ポケモンカードゲームのイラストレーションが出来るまで

ポケモンカードのイラストが世に出るまでのフローの説明。

Mizue先生のラビフットを例に、企画・発注から納品に至るまでの各ステップのやり取りがラフ案と共に紹介されています。

イラストレーターだけでなくディレクター側の情報も豊富なのが印象的でした。

 

インタビュー 長屋悟

クリーチャーズのアートディレクター長屋悟氏へのインタビュー。

こちらもトピックは多岐に渡ります。

・経歴と現在の仕事内容

・アートディレクターとして注意しているポイント

イラストレーター選定と制作上のやり取り

ポケモンカード公認イラストレーターに求めるもの

 

こちらも専門誌ならではの細かい話が多いです。

 

7人のイラストレーターが描くポケモンカードゲームイラスト 池上敬之 ア・メリカ げみ 木原未沙紀 矢野恵司 久野遥子 石黒亜矢子

活躍中のイラストレーターの7人先生方にポケモンのイラストを描いてもらい、それをポケモンカードの券面に落とし込んでシミュレートするという企画。

ポケモンカード公認イラストレーターではない先生方の仕事によって、夢のポケモンカードが描かれています。

第1回ポケモンカードイラストグランプリで入賞していながら製品にイラストを提供していないア・メリカ先生、実はこれが初のお仕事なのでは。

 

インタビュー 西田ユウ

第1回ポケモンカードイラストグランプリでポケモンカード公認イラストレーターとなった西田ユウ先生へのインタビュー。

第2回ポケモンカードイラストグランプリ公式サイトで公開されていたインタビューと重なる部分も多いですが、西田ユウ先生の人物像を更に掘り下げた内容になっています。

 

www.creatures.co.jp

 

ポケモンカードゲーム公認イラストレーター」座談会 姫野かげまる 斎藤コーキ きりさき sowsow

ポケモンカード公認イラストレーターの先生方4名による座談会。

ポケモンカードイラストレーターとしてのキャリアで言うと、ベテラン2名と若手2名、男性2名と女性2名というバランスのよい布陣です。

大きなトピックは下記の通り。

ポケモンカードの仕事を担当した切っ掛け

・ゲームとしてのポケモンカードへの接し方

・印象に残っているカード

・描くのが難しいポケモン

・描いてみたいポケモン

・きりさき先生、sowsow先生にとっての姫野かげまる先生、斎藤コーキ先生

ポケモンカードを描く楽しさ

 

座談会ということでこぼれ話も多く、非常に強く興味を引かれる情報が散りばめられていました。

 

ポケモンカードゲーム公認イラストレーター」20名が選ぶ私のお気に入りカード

ポケモンカード公認イラストレーターの先生方による、お気に入りのカードの紹介。

制作点数も多い錚々たる面々が名を連ねています。

・姉崎ダイナミック

・石川ヒデキ

・伊里日葉(ばびりぃ)

・江川あきら

・木村直代

・楠部文

・こまやま明

・こみやトモカ

・さいとうなおき

・佐久間さのすけ

・さとうなるみ

・しぶぞー

・SUI

・つるたさや

・長澤真

・なぎみそ

 

 

ポケモンカードのイラストの世界をできるだけ余すところなく紹介したい、という意気込みが想像できるコーナーでした。

 

以上です。

 

「イラストレーションの視点から考えるポケモンカードゲーム」という控えめなタイトルからは想像もつかない豪華な特集でした。

コロコロコミックだったら「全力特集!ポケモンカードゲーム最強イラストレーター軍団」みたいな感じになっていると思います。

雑誌という区分でありながら「ポケモンカードゲーム イラストコレクション」や「ポケモンカードゲーム アートコレクション」といった、ポケモンカードのイラスト専門書に匹敵する内容です。

是非1冊お手元に置いていただきたい。